K-20 怪人二十面相・伝

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<イントロダクション>
 ストーリー性やアクション、ドラマなどいろいろな角度で楽しめるエンタテインメント…一番ひきよせられたのが“トリック”である。 二人の怪人二十面相の対決が見れるが、両者が互いに騙しあうところは、もちろんだが、なんと言っても怪人二十面相の得意技の“変装”が印象深い。 怪盗と言えば、他人に化け,人々の中に紛れ 巧みにターゲットを奪うテクニシャン。
 アメコミヒーローに劣らないヒーローここにあり。

<あらすじ>
 1949年帝都。 厳しい決まりのもと、格差社会は大きく広がり 大勢の人々が貧しい生活を強いられていた。 遠藤平吉もその一人。 サーカス団員でその実力は人々を魅了した。 しかし、生きていくので精一杯の日々が続き、サーカス団にも危機が迫っていた。 そんなある日、謎の紳士から名探偵・明智小五郎と上流階級の羽柴葉子の婚約の儀式を写真に収めるよう依頼されるが、それは大きな罠だった。 濡れ衣を着せられた,平吉はカラクリ士・源治の力を借りて、新たな怪人二十面相となり,無実を証明すべく,怪人二十面相と戦うことを決意する。

<感想>
 ところどころにトリックが仕組まれた,良い意味でこの作品は二度見て,より楽しいものかもしれない。 結末は考えつかなかったものであり、もう一度見て,キーワードを一つ一つつかんで理解してから、また楽しみたい。 一度見ただけではラストに待ち受けている答えにたどり着くのは難しいかもしれない。
 “答え”を知らず、見落としていた点に気付かされるのも楽しいし、キーワードを知った上で見るのもいい。
 細部にまでこだわった映画は何度か見る必要がある。 あとで気付かされると損した感じもするが、次にどこに注目して見れば楽しく見れるかを教えてもらうわけだから逆に美味しい。
 もちろん、ストーリーやアクションを見ることに集中し、物語の中にある世界観は目に焼き付けられるけれど、一歩離れたところで見ているに過ぎない。
 二回以上見ないとわかりにくいものに作品を作り上げる作り手たちの狙いはすごい。
 本物の二十面相と平吉版の二十面相とではスタイル(タイプ)もターゲットを狙う目的も違う。 その対比がおもしろい。 本物は悪役風に描かれ、平吉の方は、ユーモアがあり、人々から愛されるヒーローそのものである。 つまり、『K-20』に出てくる怪人二十面相は、一人であって二人でもある。 タイトルにある『K-20』は平吉の扮する怪人二十面相を一つ指しているように思える。
 ものすごいアクションもあれば、コメディもところどころに散りばめられている。 そういった意味で良かったのが、まず明智小五郎に変装した,平吉が登場する場面。 明智であって明智ではないのだが、クールなイメージから外れたのがとてもおもしろく、平吉の表情が見えてくるようだった。
 命をかけると言いつつも、実のところ “死ぬのは勘弁だ”というのがありありと伝わってくるのが、とても人間らしくておもしろい。
 あともう一つおもしろいのが、葉子と明智のツーショットで,お決まりの展開である。 あくまでクールさを損なうことのない明智が葉子が(時間稼ぎのために)わざとケーキを明智の方へぶちまけようとしたところ、宙に舞ったケーキが(明智により)見事にキャッチされたところだ。 小さいけれど、ちょっとしたインパクトのある場面である。
 幸せというものや、お金や権力があることではなく,信頼できる仲間がいるということ、また,“信じれば、どんな夢もかなう”というサーカス団での平吉の師の言葉…この作品からメッセージは、登場人物の口から,また物語の流れの中で語られている。
 平吉と源治の漫才コンビのようなタッグ彼ら一人一人のキャラクターもおもしろい。 平吉の怪人二十面相との戦いを見ると、和製マスク・オブ・ゾロという感じがする。 ゾロ対オペラ座の怪人(本物の二十面相)というふうにも見えた。

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by jd69sparrow | 2009-01-16 14:38 | 映画タイトル か行