ウォーリー

d0058606_204113.jpg
<イントロダクション>
 人間のように意思や感情を持つロボット。 ロボットが活躍する物語にそういうロボットが登場する事が多々あると思う。 現実的に考えてみて,ロボットは人の手により作られた,人に忠実な機械でプログラムされたことをひたすら実行する。 現時点で機械に意思がないにしても、ウォーリーのように感情が芽生えることもなきにしもあらずと思うのだ。 というのも、時折 機械にも意思があると思えるときがあるからである。 例えば、狙ったかのように機械が立て続けに故障やエラーを起こしたときなど(家電が一機、壊れるとその後、また別のものが故障したりするように)。
 『ウォーリー』は、長い年月 一人ぼっちのロボットに感情が生まれ、そのロボットこと、ウォーリーの宇宙への冒険の物語。

<あらすじ>
 29世紀、美しい星・地球はゴミにまみれ、もはやそこには人はいない。 空っぽになってから、700年後の地球にただ一機取り残されてしまったウォーリー。 ウォーリーは人がいなくなってから、ずっと自らの仕事であるゴミ処理をマジメにかかさず,行っている。 人々が残していったものに触れるうちにウォーリーに意思ができて(生まれる)。 また、ゴミの山から毎回何かを発見するという楽しみを覚える。 そんなある日、一つの宇宙船が目の前に現れ、中から出てきたのは、白く美しいロボット・イブ。 宇宙から地球へと送り込まれたのだ。
 たちまち、ウォーリーはイブを好きなる。 イブが使命を終え、宇宙へ旅立つ時、ウォーリーはイブを追い、見知らぬ世界,宇宙への冒険が始まる。
 
<感想>
 この作品は三つの要素によってできている。 一つはウォーリーの冒険、二つ目はウォーリーとイブのラブ・ストーリー、そして三つ目は地球再生への道のりといったところだろうか。 
 地球を去った人間たちは便利で快適かつ,楽な生活に依存し、関心ごとといえば 自分の目の前にあるモニターだけ。 かつての人間のように感情があって、いろんなものに興味を持つウォーリーとは対照的で、まるで人とロボットの性質が逆転したかのようである。 人には感情がなくて、ロボットにはある。 
 地球を捨てた人たちは巨大な宇宙船で毎日変化のない日々を過ごしている宇宙船には艦長いるけれど、舵をとるのはメカ(人々のリーダーである艦長だが、実権を握るのはメカにあるに等しい)。 悪い意味で舵をとるメカ,“オート”に意思が生まれ、プログラムに忠実なオートはオートの役割を阻むものに容赦がない。
 機械に囲まれ、便利さばかりに気を取られてしまうと、こんな未来がやってくるかもしれない。機械が人に逆らい、人の体が退化してしまうという。 700年間も、ゴミ処理ロボットとしての仕事を続け、その機体は汚れてしまっても、ウォーリーの心は綺麗で人間が失ってしまったもの(感情)を持っている。 彼の“綺麗にする”という役割は、違った意味でも働いている。 “綺麗にする”といことは、汚くなったものを元通り,きれいな姿に“再生する”という意味にもとれるだろう。 だから(意識的にではないにしても)人々を帰るべき場所・生活に導いたのも まさにこの“再生(=綺麗にする)”だ。
 ウォーリーがいた元々の世界,地球はゴミであふれているけれど、彼がそのゴミで築き上げた,一見ビルに見えるゴミの山は芸術的である。 まるで建物に汚れがついたかのよう。 それも複数存在する。 つまり、ウォーリーは700年かけてマジメに仕事をし、知らず知らずに芸術も作り上げることになる。 すごい。
 宇宙が映し出され、ロマンティックなところもあれば、思わず笑顔になってしまうところもあり、また,心温まるところもある。 それら全てに通じるのがウォーリーのイブへの気持ち。
 感情表現の豊かさ(ウォーリーの)には温かさがある。 ウォーリーからイブへ、イブからウォーリーへの気持ちがとても印象に残り、観る者の心をつかんで離さない。
 ウォーリーは人々が残していったものから宝物を見つけ、集める。 彼には家があって、宝物の数々は大事にそこへ収められていて、お気に入りの映画・音楽があり、そこから得た夢がある。 人間味の深さがうかがえる。 さらにイブのために雷にうたれたり,ボロボロになっても一生懸命というひたむきさを持っている。 言葉なくして そういったことが出来る…これらが『ウォーリー』最大の魅力だと思う。
 ウォーリーとイブとの出会いが地球の運命を変え、ウォーリーのイブへの想いが地球・人類の両方を救うなんてとても素敵である。
 物語は一見平和だが、堕落寸前のところから、明るい未来へと向かっていて、主人公ウォーリーは地球を救おうとしたのではなく、結果的に救ったという点が作品をより良きものにするのに大きく働いている。

d0058606_21224426.gif
←あなたのクリックに感謝します。
[PR]

by jd69sparrow | 2009-01-17 00:00 | 映画タイトル あ行