ICHI

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<イントロダクション>
 目の前には暗闇しか映らない。 光が閉ざされた世界を生きる女旅芸人・市。 容姿端麗な見かけからは想像できない武士と変わらぬ強さを持っている。 信じられるのは己のみ。
 刀をゆっくりと抜いたかと思うと、目にも止まらぬ速さで敵を次々と斬っていく、そんな市の強さと一人の人間としての弱さと未来への道を描いている。

<あらすじ>
 市は三味線を持ち,“杖”をつきながら旅を続けている。 人とは関わろうとはせず,自分の力だけを頼りに生きている。 ある日、同じ盲目の女旅芸人とともにいたお堂に手荒な男たちが現れ、そこへ一人の侍が市たちを助けにやって来たが、逆に市がその侍を助けた。 その侍の名は藤平十馬。 刀は持つものの,それを抜くことができない。 それゆえに十馬が市に救われることばかりに見えたが、市もまた十馬に救われる。 二人は滞在中の宿場町を脅かす万鬼党と戦うことになる。

<感想>
 市は人の答えを求めて、旅を続けている。 それは、市が幼い頃、彼女に逆手居合いを教えた人物が誰なのかということだ。 はじめ、ただ一つの目的のために市は旅を続け、偶然出合った十馬と共に過ごし、万鬼党と戦っていた。 しかし、市の戦いはそれだけのためではなくなっていく。 人の優しさと温かさを知った市は、その温もりを与えてくれた十馬に恩返しするように戦うようになる。
 ただ、強くてクールなだけの市ではなく、内面の奥の奥まで描かれており、今ある市の過程や強さの裏にある女性らしい弱さも丁寧に表現されていることが魅力と言えよう。
 武士して、人として“その”実力がないように見えて、あるいは思えて 実は力があるとわかったとき、インパクトが強く,カッコいいと思った。 それは二人の主人公に当てはまる。 追い込まれたと思えた次の瞬間,刀が敵を斬りつけ 引き出される。 だから、この二人の登場人物が魅力的なのだ。
 市は十馬の温かさに触れ、失った心を取り戻し、心動かされる。 また、十馬はそんな市の力で過去を乗り越える。 愛という力のもとに。
 全てを悟った市の十馬への重いがストレートに伝わってくるクライマックスにぐっとくる。
 世界が真っ暗に見え、市自身も暗闇の人生を歩んでいた…しかし、あきれめなければどんなに暗い道の先にも光が見えてくるのだ。 それが市が得た最高の希望と言えるだろう。 孤独だった市が十馬との出会いで温もりや生きることへの実感をえたように、心の扉を開ければ、やがて過去のような…いや、それ以上の何か,幸せが、光が、市の心を照らすかもしれない…と市は感じたのかもしれない。

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by jd69sparrow | 2009-01-18 00:00 | 映画タイトル あ行