墨攻

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<イントロダクション>
 昔、中国の中で国が分かれていた時代。 墨家という集団がいて、彼らは刃を交えることなく民の平和を守るという意志の持ち主であった。 その墨家から梁の国へやってきた,一人の男がいた。 名はカクリ。 カクリは全身全霊でもって自らに与えられた使命を果たすべく,己の命をかける。 十万という敵兵を目の前に…。 これは戦うことの意味、命の尊さを問うアクションドラマである。


<あらすじ>
 趙と梁の二つの国は互いに敵同士。 趙が優勢の中、梁の危機を救い、趙と戦うための切り札として墨家カクリがやって来た。 その実力は本物であり、趙の猛攻をおさえる。 カクリはなるべく犠牲者を出さずに敵の心理をついて、梁の国を敵から守ることを第一に考えた。 そんな彼を慕う者は少なくなかった。 しかし、傲慢な梁の王はそんなカクリを認めようとはせず、権力にモノをいわせていた。 そのため、多くの尊い命が失われ、カクリは梁の戦い方に疑問を抱くが、梁を守ることをあきらめることはなかった。

<感想>
 “戦わずして民を守る”という墨家の信念が語れている。 これは戦国時代の武将・武田信玄に通じるものがある。 戦乱の世は世界各地にあっただろう。 だから墨家・カクリのような思想を持った戦人は少なくなかったのではないだろうか。 たくさんの犠牲者を招くことに疑念を抱く人々が。
 そんな時代、カクリは敵側の死さえ悲しむ心を持っている。 ゆえに平和を誰よりも望み、自分の生きる時代よりも進んだ現代的な考えの持ち主だと言える。 心の広い人物である。  梁の側にはついているものの,カクリのこの信念は現代人がとても共感できるものだろう。
 戦の多い時代。 たくさんの命が奪われることに堂々と反対の意を唱えることのできる勇気ある者は少なく、また,そういう人々が大いなる力の前には中々たちうちできない。 しかしそんな、勇者の一人と言えよう,カクリはとても活き活きと見える。
 “十万の兵にたった一人で挑む”とある。 趙が優勢であり、その趙にとって未知の存在はカクリただひとり。 カクリが現れたことで敵である,梁へ攻め入るのに苦戦するわけだから、カクリ一人を恐れるべき存在とするというのも当然かもしれない。
 カクリは誰かが助けを必要とすれば、そこへ赴く。 敵と味方が逆転しようとも。 けれど、墨家,己の信念だけは曲げない。 つまり、人の命を思う心。 偏見かもしれないが、その地位でないものに民を思い、国を守る心、また人の上に立つ器”というものがあったりする。
 人を信じることのできない君主に明るい未来はない。 カクリははじめに梁の王に“王がどれだけ自分(カクリ)を信じるかで趙との戦を左右する”」ということを告げる場面があるが、その答えはまさに梁の王が辿り着く最後だ。
 カクリの言う,“何故人が人を殺さなくてはいけないのか”という言葉はこの物語の中でとても大きな意味を持つものであり 物語のテーマと言えるだろう。 これは現代にも言える問いかけだ。 メッセージ性の高い作品である。

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by jd69sparrow | 2009-02-05 01:10 | 映画タイトル は行