ハウルの動く城(2回目)

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<イントロダクション>
 ヨーロッパのどこかの国のような色とりどりの切れない町並や大自然を舞台にした魔法使いの物語。 これだけでも美しい作品と言える。 魔法使いの名はハウル。 容姿端麗。 そんなハウルが帽子屋の娘,ソフィと出会うことで心を取り戻す話でもある。

<あらすじ>
 ソフィは帽子屋だった父親から店を継ぎ,恋もすることなく毎日働いている。 父親の大切な財産(店)を守っていかねばという想いから。 そんなある日、黒い影に追われ、見ず知らずの美しい魔法使いに救われる。 その時からソフィの運命は変わり始めていた。 ソフィを救ったのは魔法使いハウル。 それを知った,評判の悪い荒地の魔女はソフィに呪いをかける。 それはソフィから若さを奪い、90歳の老婆に変えてしまうというもの。 当然それは、人には言えない。 街にはもういられないと思ったソフィは街のずっと先にある山へ向かう。 そこで出会ったのが“ハウルの動く城”だった。 そしてソフィはハウルと再会する。 ハウルの運命もその瞬間から大きく動きはじめていた。

<感想>
 まず始めに、ソフィの人間像に魅力を感じる。 18歳という若さ以上に落ち着いている。 呪いをかけられたとき、自分の目を疑い 慌てはするけれど、すぐに90歳の自分を受け入れ、気持ちを切り替える。 マイナスな自分の現状をプラスに考えられる前向きさがすごい。 18歳から90歳となり、負担はとても大きいはずなのに、それを感じさせない。 見た目は老人でもハウルの城の掃除婦となったソフィは呪いをかけられる前よりパワフルで若い。
 弱虫で子供のようなハウルの、母親のようなソフィ。 ハウルとソフィの関係は親子と恋人同士の二つをあわせ持っていて最高の絆だと思う。 ハウルの城の住人はハウル、その弟子でまだ幼い,マルクル。 そして、城を動かす悪魔・カルシファー。 女でのないこの場所でソフィの中野今まで表にことのなかった一面のスイッチが入ったようだ。
 若いソフィと、おばあちゃんのソフィとでは全くとは言わないが、違う。 中身は一緒でも自分の負われている状況や姿によって性格は変わるものなのだろう。 だけど、先も述べたように,ソフィの奥に秘めた個性というのも少なからずあるのではないだろうか。 普段はおとなしく,控えめだけどパワフルな一面もあるというふうに。 逆に女性誰しもが持つ“母親”という面が少年のような青年と少年だけの環境により引き出されたのかもしれない。 でも、ソフィの女性らしさや優しさは変わらない。
 90歳のソフィには理想のおばぁちゃん像が見れる。 ポジティブなところはもちろんだが、ハウルたちの身の回りの世話を元気にバリバリとこなすソフィに憧れる。 歳をとってもはつらつとしている,おばぁちゃんに。
 “歳をとると、驚かなくなる。 知恵が付く”というセリフが印象的だ。 歳をとるということは、嫌なことばかりではないというのを教えてくれている。 90歳のソフィのちょっとした意地悪も可愛い。 “ソフィおばぁちゃん”は元気で可愛いおばぁちゃんなのだ。
 ソフィは腰の曲がった皺だらけの老婆から、物語が進むにつれて若返っていく、そこがおもしろいところだ。 呪いをかけた張本人である荒地の魔女は,呪いをかけられても解けない魔女。 しかし、その呪いは時間が経つにつれ、こうして弱まっていく。 その呪いを解くのは“恋”と“愛”だと思う。 掃除婦と言って、城にやって来たソフィは、母親から,恋をする“18歳”と変わっていくからだ。 ソフィがハウルに恋をすることで呪いの効果は弱まり始め、ハウルが心を取り戻した時、互いが大切な存在となり、そこに愛が生まれたことで、完全に呪いは解けたのだと考えられる。  マルクルにとってソフィは母親同然というのは変わらず。
 ソフィはハウルやマルクルだけでなく、悪魔カルシファーや荒地の魔女の心さえ動かしたのである。 ソフィ自身は自分を綺麗だとは考えていないけれど、人の心を良い方向へ動かし、優しさもあって,その姿も綺麗。 本当の意味で美しい人になのだ。
 『ハウルの動く城』は壮大なファンタジーの世界と宮崎ワールドとの融合を楽しむものであり、ハウルの数々の魔法の魅力に惹かれるものであり、そしてソフィという素晴らしい人物を描いている作品なのだ。

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by jd69sparrow | 2009-02-03 01:39 | 映画タイトル は行