デトロイト・メタル・シティ

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<イントロダクション>
 ヘビーメタルという音楽ジャンルの中にデスメタルというものがある。DNCこと“デトロイト・メタル・シティ”はそこに属するバンドである。 その奇抜なスタイルが印象的だがテーマは理想と現実の中でおの葛藤だ。 作り手たちの狙い通りDMCのボーカルの姿で主人公宗一というギャップがおもしろい映画である。 笑いどころ満載で見ごたえもある。

<あらすじ>
 根岸宗一はオシャレなミュージシャンになることを目指し、故郷である大分から東京へとやってくる。 根岸の目に飛び込んで来たのはミュージシャン募集のポスター。 そこには“デスレコーズ”と書かれていた。 この瞬間から根岸が目指している道とはかけ離れた方向へと彼の運命は動き出していた。
 気づくと根岸は“オシャレなミュージシャン”…ではなく、デスメタル系バンド”デトロイト・メタル・シティ”こと“DMC”というバンドの一員になっていた。 口から出てくるのは過激な言葉。 ド派手なメイクと衣装に包まれた格好… 自分がやりたいことと違うことをやらされる日々… 理想と現実とのギャップの物語である。

<感想>
 笑いどころ、ツッコミどころがいっぱいのコメディ映画。 まずはjめに三つの視点からこの作品を見ることができる。 コメディとして、音楽モノとして、そして青春ドラマとして…とこのように分けられる。 ツッコミどころとしては、なぜ主人公はフォークソングとは全然異なるであろう,デスレコーズという名のレコード会社の募集告知に惹かれたかといこうこと。 そしてDMC結成の過程が大変気になるところである。
 作り手たちの言葉にあるとおり、また最初に触れたように夢と現実との違いに思い悩まされる(主人公が)ギャップがここでのコメディを作っている。“クラウザー二世”というDMCでのもう一人の自分を持つ根岸。 二人の自分の境界線が絡み合って、時に根岸は混乱に陥る。 それが、根岸の時だけでなく,クラウザーの姿をしているときにも表れる。 主人公自身は必死に深刻に悩んでいるのに、クラウザーのままそれがカタチにされるので、非常におもしろい。 ライブの時はクラウザーで、私生活は本当の自分と分けているけどだんだん分かれ目がなくなり、クラウザーの格好をした根岸があちらこちらを走り抜ける。 どこへ行っても目立つその姿で、座敷の上でかしこまったり、和やかな歌に合わせてステップを踏むなど…・ もっとおもしろことに、“クラウザー”をいろんな方法で活用しているという。
 優しい音色の温かい歌で、人々に希望を与えたいと願う根岸にとって、デスメタル・バンドは望ましくない。 皮肉にもそちらでの自分は多くのファン達に追いかけられ,力を認められているのに自分が本当に目指している音楽では、お遊戯呼ばわりされてしまう。 それでも心から望んでいる道へ進みたいと所属している会社の鬼社長に話を持ちよるが、跳ね返されるどころか、痛烈なパンチをっくらう。 そのコントのような光景が強く心に刻まれる。
 社長は鬼だけど、その強烈さが逆におもしろい。根岸にしていることがいかに,ひどくてもその行動一つ一つには社長の思いがある。 だから彼女は憎めない。 そんな社長に洗脳されてか、根岸は心までもがクラウザーになる瞬間がある。 まさに覚醒したかのように。 自分を見失っているはずなのに格好よく見えてしまう。 社長の策略家らしさが窺える。
 自分のいるべき場所、必要とされている場所というのは必ずしも自分が思っているところというわけではない。 むしろ、自分の意志の届くところではなく、まわりの人々がその人へ示すものなのだと思う。 デスメタルとコメディという派手めなカラーが目立つけれど、ストーリーやその中に込められているテーマは始めから終わりまで,リアルである。 笑って泣いて楽しめる物語だ。

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by jd69sparrow | 2009-02-25 02:50 | 映画タイトル た行