2006年 12月 20日 ( 1 )

シンデレラマン

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 実在した人物の本当に起こった奇跡、それは感動の気持ちであふれるものだった。 1930年代頃ボクサーとして名をあげた人物、ジェームズ・J・ブラドッグ。 彼はまさに“奇跡の人”と言えよう。 時代の苦境に生き,それでも家族を思い彼はあきらめたり,へこたれたりはしなかった。むしろそんな言葉などジムの頭の中には存在しない、あるいは“絶対にあってはならない、そうなってはいけない”という彼の固い決心であったのだろう。 彼は仕事にばかり専念し、家庭をおろそかにすることもご法度であったに違いない。 ボクサーという仕事は栄光をつかむための手段であったかもしれないけれど、家族を守るための手段に過ぎないという印象の方が強かった。 仕事ばかりの人間ではないのだ。 仕事が成功し忙しくなると子供の様子すらわからないかもしれない、だけどそれはほぼないに等しかった。 ジェームズ・J・ブラドッグという人物をこの映画で初めて知った、タフな人間であり常に向上心と家族への愛情が彼の中にはあった。 つまりこの物語は大恐慌という厳しい時代の苦しさを乗り越え、奇跡をよんだ一人の父親,ボクサーの真実の物語である。
 主人公ジムはプロのボクサー、彼にはメイという妻がいて三人の子供がいた。 そして彼は家族をとても愛していた。時代に暗雲が訪れる頃 それまでボクサーとして栄光の道を歩んでいた彼はやがて時代の暗雲にのみこまれ,ボクサーのライセンスすら剥奪されてしまう。 その時子供を養い生きていくことはとても難しいことだったようだ。 それでもジムはなんとかしようという熱い思いを捨てることはなく、低賃金でもなんとか職について働き、また大切なものを売るなどして苦しい時代をひたすら生き抜いた。 しかし彼のボクサーとしての人生は短くはなかった。彼は精神的にも体力的にもタフで時代に負けない強い人、。 おそらくは家族に幸せをあたえていきたいというジムの願いであった。 子供たちに余裕をあたえ、メイに再び幸せな笑顔を取り戻させようという一心で、しかも貧しさをいいわけにすらすることもない。
 アメリカが大恐慌の渦中にあったこの時代は戦争が巻き起こった時代でもあった。それから来る苦難もあっただろう。 人々がみなこの大きな試練を課され、自分や自分の家族を守るのに必死であった。 選ぶ選択肢も少なくて、それが迫られる。 職にありつくのもかなりの困難で自分が持つものを維持するのもまた然り。 「こうするしかないんだ」という言葉にはその人の苦しさが込められていてとても悲しくもあった。 ブラドックのまわりの人々も時代の波にのまれる。
 ジムは家族のことを思うあまりまるで自らの魂を本心からささげる覚悟があったように思う。 体がボロボロになりかけてもいとわない。 ボクサーである以前に人間的に温かみのある人である。 苦しいときも投げ出したりせず家族を養うことに真剣に向き合える。 どんなに貧しくてもなんとかして恐慌の時代を生き抜いていこうという姿勢が心に焼きつく。 輝かしい人生はいつ時代の恐慌にのまれるかわからないということが一つ思えることである。 だけどあきらめさえしなければ再びチャンスがやってきて、奇跡を起こせるのだと、そういう可能性を実感できた。
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by jd69sparrow | 2006-12-20 02:04 | 映画タイトル さ行