2007年 01月 31日 ( 1 )

ディパーテッド

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 香港発の二人の男たちの二面性を描いた「インファナル・アフェア」の公開から五年の月日がたち,シリーズ三部作の最終章から四年がたった。 「ディパーテッド」という名で新しく息がふきかけられた。 主人公は二人、歩む道は違うけれど彼らはとてもよく似た部分を持っている。 ギャングの世界から内部の情報を得るため警察へ入り込み,エリートな刑事として今を生きる者と警察から潜入捜査のためギャングの世界を探るため送り込まれた刑事の物語。 レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソンをはじめとする俳優陣,さらにはマーティン・スコセッシ監督というこのジャンルにおいて本格派な作り手という話題はもちろんのことだが制作にはブラット・ピットがいたりと注目すべきは配役とい表面だけでなく役者たちを,作品そのものを支える作り手たちである。 しかもリメイクとその言葉にくくりつけられるのではなくハリウッドの一つの映画として独立している。 とはいえ、基盤はオリジナルが尊重されていると思う。 土台にオリジナルの構成から新たに積み上げられ,これは探れば探るほど“一つの新しい映画”なのだという実感がわいてくる。 一つの同じ地域にあるけれど別々のコミュニティー(街)のようにそこに立っている二つの世界が同時に存在する。  自らに偽りを持つ二人の主人公の偽りの生き方を描いてる。
 ボストンの同じ地,同じ環境で育った主人公コリンとビリーはそれぞれが違う目的を持って警察官になる道を選んだ。二人ともが優秀な成績で持って州警察へとたどり着く。 コリンはエリートとしての地位を着実にあげてゆく、けれどビリーは刑事として同じ州警察に配属されるやいなや重要な任務を任される。 それはボストンの町を支配するギャング,コステロを逮捕するためにそこへ潜入捜査することだった。 しかしそれを知るのは二人の上司だけだった。 ビリーはまもなくその極秘の任務という危険な道を歩むこととなり,警官としての顔ともう一つの顔を持つことを余儀なくされる。 優秀な刑事であるコリンもまた2つの顔を持ち,さらに危険な橋を渡ることになる。 ビリーは警官という身分を預け,ギャングの世界へ潜入捜査を始め,コリンはそのギャング,つまり二人に共通してつながるコステロへ警察内部の情報を提供し,忠義をつくすためにスパイとして警察の中へと潜り込むのである。
 先にも述べたようにこの映画は「インファナル・アフェア」という原作のもと作られたものである。 第一印象としてはオリジナルをハリウッド風にただアレンジした感じであったが、じっくり見ていくと奥が深いことがわかる。 実在の人物をモデルにされていたりとか、実際に起こったこととが物語の構成の一部として組み込まれていたりとか人物関係など目立った部分以外のところ、細部で異なるところがあり,作り手の意志が多く取り入れられているようだ。 人物関係でオリジナルとは違うところもあるのだが、非現実じみたところはない。 主人公二人ともがおかれている状況というのは実際にとても考えれるであろうことであるし、今回は舞台がボストンと設定されていて、アイリッシュ系アメリカ人に着目されている。 ここで語られる彼らについての事実や主人公たちが育ってきた環境というのはリアルなことであるだそう。 そうして実在の人物やボストンという地域の実態がストーリーの中に盛り込まれることでいることがこの映画の奥深さに深く密接していると思う。 相手をどれだけ欺くかがコリンとビリーに共通することであり、それによって孤独など精神的に追いやられるところもまた二人に共通するところである。 クールで刺激的なビジョンとおもしろさがとても印象的だ。
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by jd69sparrow | 2007-01-31 23:50 | 映画タイトル た行