2007年 03月 20日 ( 1 )

バッテリー

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 子どもの頃に抱く思いや悩み葛藤はその時にしか味わえないし、わからないかもしれない。 大人になってしまうと、また親となるとそういった子どもの気持ちというものは見えにくくなってしまうのだろう。 しかし、子どもとの向き合い方しだいで見えてくるのだと思う。 穏やかな自然の大地が(自分の本当のというわけではなけれど)「故郷」を思わせるものがあって親しみやすく,「懐かしさ」を感じさせるのも確かなのだ。 
 澄み切った青空、まわりを見渡すと緑や海が見えてくる。 新鮮でおいしい空気が漂ってくるようである。 そんなのどかな地で球が風をきる音、バットがスウィングする音、野球少年たちが声をかけあうのが聞こえてくる。 岡山を舞台にした,家族のつながり、友との友情、野球に夢中で目を輝かせる少年たちの青春の物語である。
 主人公・原田巧は少年野球で中国大会に出場した経験のある天才的な才能を持つピッチャー、自身も絶対の自信を持っている。 巧の父・広の転勤で母・真紀子の実家のある岡山へ原田家は引っ越してくる。 そこでも早速野球の自主トレーニングを始める巧、彼のピッチングを見た地元の野球少年・豪はその力にほれ込む。 豪は真紀子の友人の息子で巧たちがやってきた土地の少年野球でキャッチャーをしていた。 彼は巧を自分のいるチームに誘った。
 巧と豪の二人はピッチャーとキャッチャー,良きバッテリーのパートナーどうしとなる。 巧の投げる豪速球を誰よりも早く受け止めた豪、二人は互いにとって運命的は出会いと言っていいだろう。 出会うべくして出会った相方であって友である。 「野球」にかける情熱は二人ともが熱いものであり夢中にさせるもの。 「びゅっ」と音を立てる巧の速き球を豪がどんと構え,がっしりうけとめる。 それが静かな自然の中で響く音や二人の目の中に宿る光が印象的。 あつい信頼で結ばれたバッテリーがそこにある。
 巧という主人公はただ好きというだけの野球をしているのではない。 感情を出さず,その口からは本音が語られることは中々ない、ゆえに無表情で無愛想と思えるけれどどうしえも譲ることのできあに思いがある。 彼の中で弟。青波の存在も野球への情熱の源で理由だったに違いない。 「青波」は物語を支える鍵であり“つなぎ”。 体が弱いけれど野球への思いは巧たちと同じであった。 巧たちの野球をみて喜びを感じ,青波自身もその中に入ること夢を見ている。 そんな思いを抱く青波の目もまたまさしく野球少年の目そのものに見えた。
 少年たちが野球や友と向き合う姿、彼らを見守る大人たち、兄と弟の絆。 そんな“絵”がここで描かれている。 
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by jd69sparrow | 2007-03-20 23:58 | 映画タイトル は行