2007年 05月 16日 ( 1 )

ファンタスティポ

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 トラジとハイジは“ファンタスティポ”という歌を作っていた。 それは彼らが今に至るまでを語るものである。 ミネラルウォーター会社“アルマジロ社”の社長は彼らの父親・鯉之堀金太郎であり、“ミスターパーフェクト”の名を欲しいままにするビジネスマン。 トラジとハイジもアルマジロ社で働いてるいるがハイジはそんな父親とは折り合いも悪く 金太郎もまた「次男」であるハイジになすすべがなかった。 業績もあがり波に乗ってきたアルマジロ社、しかし金太郎のいきなりの引退宣言で二人の兄弟は会社をつぐことになった。 兄・トラジは社長に,弟・トラジは専務の任を任されることに。 さらにそこへ金太郎の旧友の娘・マシュウコが宣伝・広報として加わる。 金太郎から会社を任されたトラジとハイジは急速に変化する環境にそれぞれの悩みをかかえ生きていく。 物語の中心となるのは現在から一年半前になる。
 アルマジロ社のトップとしての人生を歩み始めることはスタート地点、“ファンタスティポ”とは彼らが行き着く場所である意味でのゴール地点。 いや、むしろ新たな道へのスタート地点なのかもしれない。 その過程はまだ大人になりきれていなかったトラジとハイジの大人への道でもあった。 大人になってもまだ大人になりきれていなくて心にはまだ子どもな自分がいる。 それはまだ未来が明確に見えていないおらず、スタート地点でまだ地に足をつけ悩んでいるということなのだろう。
 印象的だったのは子どもであることを状況が許さなくなったと瞬間の場面である。 トラジに大きな試練がたちはだかったのである(自分がそこに立たされ,無知であることにコンプレックスようなものがその背中にずっしりとのしかかる)。 ハイジもそれは同じである。 自分が歩むべき道がなんであるかがわからずにいて,まるで先へと続く道を霧が覆っているかのようだった。 よりかかれるところもなく人生をさまよっている。 
 どんなに道にまよい悩んだとしても決して一人ではない。 自分を見ていてくれる人たちがいる。 それを実感したとき、人は孤独ではなくなり必ずその先の未来も見えてくる。 全てはトラジとハイジの場所,アルマジロ社を軸にして物語は展開されていく。 そしてちょっと浮世離れな雰囲気があり,それは映画としても言えると思うのだが、大人として生きていくということ,どんなに前が見えなくても大切な人の存在意義や大きさを知ったとき 歩み始める勇気をえられる。 そして目の前にある霧も晴れていくということを感じ取ることができた。
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by jd69sparrow | 2007-05-16 18:37 | 映画タイトル は行