2009年 04月 30日 ( 1 )

ウォッチメン

d0058606_21285233.jpg
<イントロダクション>
 個性豊かなヒーロー達が一度に集結する話が好きだ。 なぜなら一つの作品に一人の基本がたくさん味わえるからだ。 『ファンタスティック4フォー』や『リーグ・オブ・レジェンド』もそうだ。 『ウォッチメン』はどちらかというと後者に近いと思う。 違うのは他の作品の人物たちの集合ではないこと。 ほとんどのヒーローが戦闘能力意外(素手とか)、普通の人間と同じであり、とてもシリアスな内容なところ。
 “ウォッチメン”とは“見張り”という訳語になっている。 ヒーロー達は顔を隠して人々の平和を“見守る”。 『Mr.インクレディブル』のようにヒーローの全盛期から落ちていき、再び動き始める(復活)ところまで描かれていたけれど、とえもシリアスな作品である。

<あらすじ>
 かつてヒーローの一人として戦っていたコメディアンが何物かの手により,殺される。 その裏に陰謀があると睨んだロールシャッハはこの事件の謎を解明すべく,一人捜査を始める。 ヒーロー達が消されていく、そんな恐怖が漂っていた。 そして、ロールシャッハはヒーロー仲間達に警告を発し、戦いが始まる。 そこには驚くべき、衝撃的な真実が隠されていて、それは彼らを苦しめることになる。

<感想>
 時代は二十世紀後半にさしかかった頃。 レトロな雰囲気、時代背景は徹底されている。 そこに映像的な最新技術が使われていてもそれは変わらない。 ヒーローたちがそれを物語っている。 エンディングテーマに至るまで,まるでその時代にタイムスリップして見ているような感覚。 映像、しかも斬新なものを得意とする作り手だけにもちろん視覚的にこだわりがすごい。 CGという以前に映し方。 何よりオープニングが印象的だ。 実際に人が演じているはずなのに、静止画のよう。 と言うより、ゆっくり時が過ぎていくという感じ。 そのふんわり感がすごい。
 そんな映像的な部分よりも内容の複雑さの方がもっと心に残る。 ヒーローものなのに、始まりは一人のヒーローの死から始まり、彼らは追い詰められた立場となり、何者かに命を奪われる恐怖に怯えていて、最後の方,少し悲しさが残る。 正義とは何なのか、平和とはどうあるべきで、どう手にするべきなのか、そこが一番問われるところ。 頭を抱えるポイントだ。
 ロシアとアメリカの間に、戦争が起きかねない状況にあり、それは世界に打撃を与えることになる。 この状況にあり、どう変えるべきか。 もちろん避けたいけれど、慎重になるか,つまり、現実に向き合うか、罪なき人々の犠牲をはらい、まやかしとも言うべき幸せを手にするか。
 確かに後者でも平和はくるかもしれないか個人的には前者に共感をえる。 この二極化した考えはロールシャッハとオジマンディアスの考えと信念である。
 たくさんの人たちの死という犠牲がありながら、世界は平和ボケしたように 垢抜けている。 現実的な正誤を貫いた者が滅されるなんて、なんとも皮肉で悲しい。 ロールシャッハは独自の考えをこめ,聖書のごとく歴史を語る。 事件らしい事件、というよりも 伝えるべきニュースがないほど,平和すぎる世、編集社に届いたロールシャッハの日記…。 平和の裏にある真実が語られようとする頃、幕を閉じる。 とても斬新な話。 “歴史は繰り返される”というように,まさに戦いが再び始まることを告げているかのようだ。
 恐れはさらなる恐怖を生むだけ。 未知なるもの(ここではアメリカがロシアに対して抱くもの)を恐れ,疑う。その結果、悲劇へもつながる。 失うべきものではない。 大切な何かを失うことも起こりうるのだ。
 “正義”にも人それぞれ違うように、いろんなものがある。 誰がどう見ても間違ったことが目の前にあろうとも 太刀打ちできない力が立ちはだかれば、それを指摘などできない。 間違っていることを間違っているといえないのだ。 
 だから、正義を貫くことは難しく、勇気がいること。 それは時に身を危険にさらすことにもなりかねない。 物語の中と限らず、現実にしても同じだと思う。 その勇気を出した者が何故(命を落とさなければならないのか)悲劇に見舞われなければいけないのか。 近からず遠からず、未来を示しているようで不気味で恐ろしい。
 果たして、残されたウォッチメンはどんな道を辿るのか。 彼らの幸せは続くのか。 余波と予兆を残しつつ,物語は静かに幕を閉じる。 フィクションだけど、現実の間とウォッチメンとが戦っているという感じ。
 ヴィジュアル重視と思いきや、サスペンスもあり,その世界観もさることながら、濃厚かつ深い作品だ。

d0058606_22314174.gif
←クリックをどうぞ♪
[PR]

by jd69sparrow | 2009-04-30 21:37 | 映画タイトル あ行