2012年 01月 11日 ( 1 )

アンフェア the answer

2011.9.20.Tue.

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<あらすじ>
 検挙率トップを誇る雪平夏見。 犯人を射殺した唯一人の刑事。 北海道に異動した雪平に飛び込んできた今度の事件は『ネイルガン連続殺人事件』だった。 ネイルガンを大量に打たれ,血液を抜かれた状態で被害者は発見され,その容疑者に浮上した人間が次の犠牲者になるという猟奇的事件だ。 その事件には,雪平の元夫である佐藤和夫もからんでいた。 しかし彼は帰らぬ人となる。 佐藤に再会した時に事件を解くカギを託された雪平は事件の謎を解くとめに事件の容疑者となっても、身を危険にさらしながら 追究するのだった。 東京の検察庁から派遣された,村上とともに真犯人へと近づいていく。


<感想>
 型破りの刑事という人物設定も,警察の闇を一つのテーマにあげている内容も最近の刑事モノ・推理モノとしては特に珍しくない。 なぜ、『アンフェア』が面白のか。 それはいくつもある。 作りこまれた話は簡単には謎が解けない。 解けたと思っても、それを覆す展開が次の瞬間に待っている。 二回以上、観て解けるものはやはり,映画としてとても魅力的のである。 繰り返し見るほど 謎が解ける楽しみが増していく。 さらに言うと、主人公を支えていたはずの仲間の裏切り。 事件は意外なところ・人物につながっている。  そして 演者の言葉にもあったが、「the answer」というタイトルでありながら、次への予感を感じさせるところも面白いところの一つだ。 何か謎めいた雰囲気が余韻として残る。
 ミステリー、サスペンス…そして、一部ある意味ホラー。 といういくつかの要素でこの映画は出来ている。 謎を解く楽しさや主人公が追い詰められながら切り抜けていくさまなども,もちろん見所なのだが、ホラーのような要素まであるのは 思わぬところだった。 謎を解くべく,ある民家に侵入する雪平。 そこはまるで お化け屋敷そのものと言っていいだろう。 いつどこに何かが現れてもおかしくない状況下だけでもハラハラドキドキだけど、犯人がそこに現れ,緊迫感は一気に加速する。 静かなる攻防戦。  グロテスクな展開すら感じさせる恐怖のシーンである。 そのシーンの結末は,推理アクションの域を完全に超えていた。 恐怖が一気にのりかかってくる。
 各登場人物にはそれぞれストーリーに与える役割がある。 たとえるなら カルシウムが骨を丈夫にするように。 人物によって出演時間がそれぞれ異なるけれど わずか数分の登場時間であっても かなり大きな効果を出しているのだ。 そういった意味で冒頭に登場した,武田信彦というキャラクターは 大きくインパクトを残しており、重要なポジションの一つといえる。 猟奇的殺人という今回の事件の恐ろしさを体現しているからだ。 連続的に起こる,このような事件の場合、やはりこの緊迫感を出すこと,それも最初に持ってくるのは とても大きな効果をもたらす。 複数回ではなく、一回であることもポイントだ。 何度も出しすぎると、しつこくなるし,慣れてしまう。 インパクトを出すには冒頭の一回に限る。 この数分の時間、台詞もない静けさと恐怖とが入り混じる,この場面は“役者魂”なるものを感じる。 言葉なくして,表情の演技だけで緊迫感と恐怖とを生み出すのだから。
 “アンフェアにはアンフェアを”という言葉は とても印象的な言葉だ。 これが表されていて,且つ個人的にだが,見所だと思うのは 結末である。 作品全体を観ても,見所となる場所はたくさんあるのだが その中でも最も印象的に思えたのが 最後の最後。 “逆転勝利”。 作品通して、真犯人と雪平とのバトルが続くけれど このシーンでは、真犯人はもちろん,観る側も見事に“騙された”と思うはず。 観る側としては、いい意味でだ。 一気にそれまでの展開が覆されるからだ。 ここで思ったのは、佐藤の最期があまりに寂しいということ。 そして わかったことは、雪平のまわりの人間は娘や佐藤、家族をのぞいた 全ての人間が敵になりうる…というか、敵だと言っていいかもしれない。 闇を解き明かそうとするものは、理不尽だが あらゆる方面で目の敵とされてしまう。 そして闇に足を踏み入れると,裏切りに合う。 これは、現実社会の裏なのか。
 しかし、エンディングを観ると とても爽快だ。 気になっていたこと、気づいてすらいなかったことを含めて 各場面にある謎の答えが,次々と解き明かされるのだ。 とはいっても、それは答えであり,ヒントであるといえるだろう。 ただ私が鈍いだけなのかもしれないが、そのエンドロール直前の場面を観てもその意味がハッキリとわからなかったものがあったからだ。 
 雪平夏美。 中々幸せをつかめない女。 おそらく、彼女が本当に幸せを手にした時こそ,『アンフェア』の“答え”であり,物語の完結と言えるのだろう。
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by jd69sparrow | 2012-01-11 23:50 | 映画タイトル あ行