2012年 01月 19日 ( 1 )

三銃士(2011)

2011.10.28.Fri.

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【あらすじ】 
 17世紀のフランス。 若きルイ13世がフランス王位を受け継いだ。 幼く無知な彼の背後では 玉座を狙うもの、大切なものを奪おうとする者など 影が忍び寄っていた。 
 アトス、アラミス、ポトスの三人はかつて“三銃士”としてフランスという国に忠誠を誓い,極秘任務を遂行していた。 ミッションにはアトスの恋人・ミレディも加わっていたが,目的にたどり着いた瞬間,三人を裏切り,イギリスのバッキンガム公爵に願えるのだった。 以来、三人はすっかり落ちこぼれてしまう。
 それから数年の月日が過ぎ、ガスコーニュから都会へと足を運んだ一人の青年が現れた。 彼の名はダルタニアン。 銃士になる夢をかかえ,田舎からやってきた彼だったが,その道中でいきなり,フランスの宰相・リシュリューの腹心,ロシュフォールを敵に回し,街に着くなり,偶然にも三銃士たち一人一人に出会い、決闘を申し込むのだった。
 ミレディはイギリスとフランスの二重スパイで,リシュリューともつながっている彼女は、フランス国王を欺くために アンヌ王妃の首飾りを盗み出す。 その一大事に気づいた,アンヌと彼女の侍女・コンスタンスはダルタニアンに盗まれ,バッキンガム公爵のもとへ渡った,首飾りの奪還を依頼する。 ダルタニアンは三銃士の協力を得て,敵地へと旅立つのだった。


【感想】
 『三銃士』はもともと,ダルタニアンを主軸にした物語の一部。 これまで何度も映像化された本作だが,この原作の設定どおりの18歳のダルタニアンと同じ年齢の役者が演じるまでに、実に百年を要したというのだから驚きである。 と、同時に原作を知る人でなければ,ダルタニアンの設定はおろか,『三銃士』が“ダルタニアン物語”のごく一部だということを初めて知るという人も少なくないのではないだろうか。 少なくとも私はそうである。 なぜ、長い成長物語の中でも,三銃士が登場する今回のエピソードがとりわけ注目されるのか。 あくまで個人的な推測だが,すべては「All for one,one for all(皆は一人のために,一人は皆のために)」という有名な名台詞にあるスピリットだと思う。 今の時代、ベストなタイミングで新しい『三銃士』が登場したと言えるだろう。
 『三銃士』の登場は,『仮面の男』でも観られる。 この作品でスポットがあたるのは,ルイ14世。 アトス、洗ミス、ポトスは三銃士を引退して,しばらくの年月を経ている。 ダルタニアンも青年から素敵な叔父様となり,ルイ14世に仕える身となって登場。 しかし、話の設定はおおもとの話と類似している点もいくつかある。 例えば、一度は国に仕える職務から離れた,三銃士が再結成し,王のために戦うところなど。 形を変えても,三銃士の影響力というのは大きいのだ。

 美しき二重スパイ・ミレディやイギリスの策士・バッキンガム公爵に注目されがちだが、やはり三銃士の叔父様たちにも注目していただきたい。 一度は愛に裏切られるも,愛を大切にするリーダー・アトス、身軽さが武器のアラミス、パワータイプのポトス。 印象的な場面は多々あるけれど、その中でも特に印象的なのは 冒頭の初登場シーンと飛行船での不意打ちの場面。 その登場シーンはそれぞれ全く違う味が出ており,三人ともが意外な登場な仕方をする。 それは上・中・下…言いかえれば、空・陸・海に分かれる。 地球をつかさどる三つの自然を現すのは偶然なのか。 しかし、彼ら三人が人が生きていくうえで大切な三つの象徴となることは間違いはなさそうだ。 アトスは、欧米版・“必殺仕事人”というべきか,それとも”忍び”というべきか。 敵に息をつく間を与えない。 アラミスは三人の中では最もミステリアスな登場。 まるで『GOEMON』に登場する石川五右衛門を思わせる。 神への言葉を唱えた後の任務遂行の速さは天下一品。 フードというアイテムの凄さを実感した。 最後にポトス。 原作では三人の中で最も頭脳が劣っているとあるようだが、2011年版の本作だと 敵にわざと捕まり、彼らを欺く頭脳派な一面を持ち合わせており,パワータイプと言って,多くの人が考えるであろうイメージを覆すギャップが魅力的である。
 もうひとつ。 飛行船での不意打ち場面。 ダルタニアンが見事,バッキンガムを欺く名場面だ。 バッキンガムだけでなく、観ている側もが彼ら四人に欺かれることだろう。 ダ・ヴィンチの飛行船に乗った,三銃士たちは公爵に総攻撃する。 その際、アラミスがいくつにも連なった飛行船の銃の背後で素早く動き,連続的に銃を撃ち込み,そしてとどめをさすように,アトスが船に備え付けられたバズーカ的なものの,取っ手をクルクル回すと同時に炎を噴射させるところがたまらなく,カッコいい(アラミス、アトス両者が)! このシーンにおいては、公爵にも注目していただきたい。 敵だとはいえ、憎めない…と言うより可愛い。 爆風にのまれた公爵は敵であって敵ではないように見えるのだ。
 
 監督の「SFのような未来物も一種の時代劇である」という言葉にはとても奥深いものがある。 『バイオハザード』という、未来モノから,その遥か昔の時代を描くという難しさを問われた時の発言なのだが、映画・ドラマの概念を覆す言葉でもあり,大いに説得力があると言える。 そして『バイオ』で発揮されたようなスタイリッシュ且つダイナミックなアクション+3Dが過去を遡る時代劇には持ってこいだという指摘には驚かされると同時に共感をえる。
 
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by jd69sparrow | 2012-01-19 23:27 | 映画タイトル さ行