ハンサム★スーツ

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<イントロダクション>
 笑顔には自分だけでなく、人を幸せにさせる力がある。 逆に幸せであれば自然と笑顔になる。 どんなに不幸に思える己の人生も何かに打ち込んだり,努力さえしていればそれをちゃんと見ていてくれる人がいて、認めてくれる人が必ずいる。 そんなポジティブなメッセージがたくさん詰まった映画は人に元気を与えてくれる。 そんなこの映画は人(見る人)を幸せにするアシストをしているように思える。 
 “人は見た目ではない”という言葉があっても、見た目を気にしてしまうの現実である。 だけど、人として一番大事なのは中身であるということを改めて教えてくれるのがこの『ハンサム★スーツ』なのである。

<ストーリー>
 大木琢郎は亡き母のお店を継ぎ、大衆食堂を切り盛りしている。 料理の腕は確かで、人柄の良さから常連客から人気があった。 そんな琢郎には一つ悩みがあった。 それは彼がブサイクであること。 ブサイクであるがゆえに異性とは縁がない。 それでも母親の味を守るため,毎日来てくれるお客さんのために琢郎は働いた。
 そんなある日、アルバイトの募集を見てやってきたのが星野寛子だった。 琢郎は寛子に一目ぼれしてしまう。 まわりにおされるがままに思い切って告白を試みるが、あっさり振られてしまう。 琢郎は自分の見た目が良くないからだと思い込む。
 落ち込む琢郎…すると突然彼の目の前に黒いスーツでびしっと決めた謎の男が現れる。 男は琢郎に「人生を変えるスーツを着ませんか」と誘う。 寛子にも振られ、女の人には煙たい顔で見られたり…という今の惨めな自分に嫌気がさし、琢郎は男に紹介された紳士服店へと足を運ぶ。
 紳士服の店長・白木から“ハンサムスーツ”を薦められた琢郎。 それは着ぐるみのようなスーツだった。 しかし!ハンサムスーツを着ると…なんと見違えるほど…というよりも全くの別人でしかも本来の自分とはかけ離れたハンサムになっていた!!
 ハンサムスーツを着てからの人々の自分への目は一変し、モデルとしてスカウトされてしまうほど。 ハンサムであるときの琢郎の名は光山杏仁といった。 一方、琢郎としての日々は相変わらず、惨めに思えた。 そして寛子の変わりに本江がお店のアルバイトでやってくる。 仕事もでき,性格も良いけれど美人とは程遠かった。 だけど、琢郎は杏仁として輝くようなな日々が約束されていても,本江の優しさに惹かれていった。

<感想>
 一番印象に残り,心に響いたセリフがある。 それは“一緒にいて笑顔になれる人といるのが幸せ”という言葉である。 異性に対していろいろと条件をつけたくなりがちだけど、何が一番大切で自分が幸せになれるかと言ったら、その言葉のとおりだと思う。 そういうことを言われたとしたら最高に幸せではないだろうか。 しつこいようだが、“笑顔”こそ最大のテーマ。 物語に作用する重要な要素だけれど、これは観る側にもあてられたものである。 温かい場面もあれば、笑いの場面もある。 その笑いの場面が笑うことが出来るし、温かな場面で笑顔になる。
 おもしろいところはたくさんある。 まず一つ、あげたいのが見た目は杏仁だけど中身は琢郎であること。 琢郎やるとまわりが引いてしまうことも杏仁がやるとおもしろい。 スクリーンに映る“ハンサム”は完璧と言ってもいいほどに“琢郎”である。
 現代的な話の中にもレトロな雰囲気があって、例えば琢郎の店“こころ食堂”は古きよき日本が凝縮していかのようだ。 だから、琢郎と本江のやりとりもとても温かさを感じる。 新と旧とが同時に存在するのがいい。
 『ハンサム★スーツ』におもしろいサプライズがたくさんある。 思いもよらない展開が多いため,先読みするのは容易ではないかもしれない。 そしてそのサプライズにはいくつかの種類に分類される。 驚き、笑い、温かさ…etc
 ハンサムな自分として、人から脚光をあびたり,ちやほやされたりするという幸せとブサイクだけど母親と自分の味を楽しみに毎日こころ食堂に足を運んできてくれるお客さんがいて,自分を一人の人間としてまっすぐ見てくれる人がいる,また人の幸せを間近で見れる幸せとどちらが琢郎にとって幸せなのか…琢郎は究極の選択をせまられる。 どちらを選ぶかどうかとその答えが出る前に自分に置き換えてみたとして,答えは決まっていると言っても過言ではない。 琢郎の最後の決断というのはぐっと来るものがあるし、最高に,本当の意味で輝いた瞬間と言えるだろう。 本心から幸せだと思えることが(琢郎が)わかった瞬間である。 琢郎の中で本江の優しさが大きく、またどんなに環境が変わっても宅郎自身の優しさは変わらないことにとても感動した。
 漫画的にも見える“絵”の見せ方がとても良く,物語を盛り上げているし、物語というかどの人がどんな言葉を言うかとか、どのように登場人物を動かすかも映画をおもしろくできるかどうかの重要なポイントだということが良くわかる。 琢郎が気を抜いてしまった時、また,その事で引き起こしてしまったことに対しての切り替えしが本当におもしろい。
 夢を持つようになりたい自分があっても,そういう思いは自分の中だけにして、一つでも人から認められているものあれば、それに打ち込むことに意味がある。 なぜなら、それが必ず誰かの目にちゃんと映るからである。
 たくさん笑って、最後には心温まる最高な映画である。

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by jd69sparrow | 2008-11-07 23:40 | 映画タイトル は行