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タイタンの戦い(2010)

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<あらすじ>
 時は、ギリシャ神話の世界の中を流れている。 ゼウスが神の王だった。 そのゼウスと人間の女性の間に生まれたのが,ペルセウスという半神であった。赤子であったペルセウスと母親は罰せられ,嵐の中、ペルセウスの命は救われた。 漁を営む人間の夫婦に育てられたペルセウスは,人の子として育った。 世は厳しく、神が人間に苦難を強いるばかり… ペルセウスの育ての親・スピロスたちは神の行いに不満を隠せない。 彼だけでなく、それは多くの人間の間に広まりつつあった。そしてその不満がカタチになったとき、神の怒りに触れることとなる。 これによる惨事に巻き込まれたペルセウスたち一家は、ペルセウスを残し命を落とすこととなる。神の手で…
 その時既に青年に成長していたペルセウスは、アルゴス国に救われる。 冥界の神・ハデスによってある事が告げられた。人々の信仰心の薄れによって神々の怒りに触れ,アルゴスは破滅に導かれると。そして、それを免れるために,アルゴスはハデスと契約が結ばれるのだった…
 ペルセウスは、ハデスの放つ,アルゴスの命運を脅かす怪物・クラーケンから人々を守るために,国王に仕える戦士団と命がけの冒険へと旅立つのである。

<感想>
 人類の生みの親、ゼウス。“神は自分と似せて人を作った”というように,恐らくは人と同じ姿をしているのだろう。 例え、人の手によって表現されたものだとしても きっとそうなのではないかと信じられる。 人類はどのように誕生したのかと色々と考えをめぐらす…猿が進化してゆき,人となったにしても何故進化したのか、また,何故言葉を話すようになったのかと思うとそこに神秘的な気がしてならない。 
 ゼウスは人類を創った,創造主。 だからと言うべきなのか、ここで描かれるゼウスはとても人間的だ。自らが生み出した人々へ愛を持っているのだけれど、ゼウスのバックグラウンドは意外なるものだった。ハデスの弟であるゼウスは王になるために,ゼウスの前の王,つまりゼウスの両親を兄に頼んで倒してしまった上に,ハデスを騙して冥界の王にさせて,天界の王座を我が物にするという,ブラックな面を持っていたなどとは驚きである。
 もちろんハデスは、邪悪さを持っていたけれど 本来自分が継ぐべき王の地位を弟の罠により,奪われて天界の遙か下に位置する冥界へと行くこととなったのだから ダークになるのも無理はないとも思える。 まるでムファサとスカー(「ライオンキング」)の関係かのようにも見える。 スカーがムファサにした事と同じような意思がハデスの中にも存在した。 半神であろうと、ゼウスの子であるペルセウスも,ゼウスもハデスにとっては変わらないのだろう。向ける敵意は同じだった。
 また、目の合ったものを石にしてしまう,元は美しい神々の一員だったメデューサもひどい仕打ちを受けた上に救いを求めて,救われるどころか醜い姿に変えられてしまったという暗い過去を持っている。 
 こう考えてみると、悪役たちの方がよく見えてくる気がする。 ちなみに獣人カリボスこと,アクリシウス王もゼウスのした,とある行為が発端となり 奈落の底に突き落とされる運命を辿ってしまう。
 と、ここまで来るとゼウスに中々良いイメージが浮かばないように見えるのだけれど そうではない。人間と同じ脆さがあったり,愛情も持っている。人の心には天使と悪魔がいると言うように、悪魔の言葉に,ハデスの企みに屈ししまう…と思うのだ。 それに 人を創造し、さらに美しい自然も創造したのだし、ゼウスあっての私たちなのだから。
 不思議と悪役達の方が良く見えたりする。 

by jd69sparrow | 2010-05-15 00:16 | 映画タイトル た行