ヴァンヘルシング(2回目)
<あらすじ>
モンスター・ハンター,ヴァン・ヘルシングは ヴァチカンの協会の命によりモンスターを退治する,過去の記憶のないモンスター・ハンターである。 彼は、例によって協会から,トランシルバニアに飛び、ドラキュラ伯爵を倒す依頼を受ける。 協会のある研究所で働く,発明家のカールと共に旅立つ。
トランシルバニアは小さな村。 その村にはドラキュラを倒すべく戦う一族の末裔,アナがいた。 彼女には唯一の家族である兄ヴェルカンがいたが,ドラキュラ伯爵の策略により,狼男の呪いをかけられてしまう。
アナは兄を助けるため,ヴァン・ヘルシングは使命のため,協力してドラキュラ伯爵に戦いを挑む。 伯爵の計画を阻止するためでもあった…
<感想>
ブラム・ストーカー原作の『吸血鬼ドラキュラ』で、吸血鬼ハンターとして登場するのがヴァン・ヘルシングだ。ドラキュラ伯爵と対決する位置として出てくるあたり、本作で伯爵が言う“因縁”につながるのだろう。 原作に出てくるヴァン・ヘルシングは還暦を越えているし、最初映画公開された頃も、その設定に基づいている。 今までヴァン・ヘルシングが登場する映画は10作近く作られていて、原作より若い設定になるのはその中でも後半の方。 2004年公開『ヴァン・ヘルシング』は180度それらとは異なると思う。 アメコミヒーローとまではいかないけれど、現代ヒーローとして,“主人公”として登場。 カリスマ的なモンスター・ハンターだ。
原作ではエイブラハム・ヴァン・ヘルシングといい、ファーストネームが聖書の中の人物に対し、本作は名前こそ違うが同じく,キリスト教を連想するものなっている。 しかし、本人がその名を知らないという。 “ガブリエル”。 神の言葉を伝える“メッセンジャー”(※Wikpedia参照)的役割であり、その重要な役割を持つ天使ガブリエルについても、伯爵の言葉によりなんとなく,ほのめかされている。 …ってことは、ヴァン・ヘルシングってもしや!! って思うのである。 それに、 映画の設定上,ドラキュラ伯爵はヴァン・ヘルシングにより,裁きを受け,命を落とした後、悪魔と契約しているのだから。
続編が出るとささやかれた本作。 それは噂に過ぎなかったのかは、定かではないが 謎の点が多く、それを明らかにして欲しいと願ったファンも多いはず。 個人的にフィーチャーされて欲しいと思ったのは、ヴァン・ヘルシングの過去。 まさにここが最大の謎の部分だと思う。 協会の前で倒れていたというところから、何か匂わせるものはあるが、一切 記憶を失った経緯などは語られていない。 もし、実写映像としてみたいの喪として、まずは 何故記憶を失ったのか? また、ドラキュラ伯爵との因縁はどのように生まれたのか? ということである。 何故因縁があるのかというのは、伯爵の「自分はガブリエル(ヴァン・ヘルシング)によって殺された」という言葉でわかるが。 伯爵が“悪魔”となる前後のエピソードをこの,ヴァン・ヘルシングの過去と同時進行で物語作品となったらなぁなんて思うのだ。
伯爵の「四百年ぶりの再会か?」という言葉から、ヴァン・ヘルシングが何者なのかととても気になるところ。もし、“神のとなりいる存在”というのが本当だとするならば,翼を失った天使なのか?という疑問もある。『コンスタンティン』に登場したガブリエルのように。 『コンスタンティン』では悪魔と天使の中間という設定だが、なんとなく『ヴァン・ヘルシング』でもそれに近い何かがあるのではないかと匂わせる印象。 宗教がらみのことがあるとなると、やはり“ガブリエル”と名のつく人物もキリスト教で語られる上での,天使ガブリエルの設定をどこか担っているものだろう(当たり前かもしれないが)。
また、モンスターハンターという設定ならば、また新たな敵と戦うという話があったらと思う。 とは言っても、モンスター映画の代表的な吸血鬼に、フランケンシュタイン、狼男…と出尽くしているのだが。
二度三度と見ていると、物語は楽しむけれど注目する点が変わってくるものだ。 最初は、ウルヴァリンとは全く違うタイプのヒーローで、見た感じはソフトな感じで気品もあるが,実はワイルドセクシーなヒーローであるというところがイイ(もちろん、登場人物のキャラクター性を強調するファッションも繊細で美しい)。…とぱっと入ってくる情報に視線が行く。 回を重ねていくと見た目やどんな面白さかというのは、わかっているのでそれ以外のこと。 隠された謎をとことん追求したくなるし、色々な仮定も考える。 あまりにも掘り下げて欲しいポイントがある…何故? っと気になり続けるのだが、そこでストップしているのもオイシイのかも??
最後の衝撃的な場面。 アナとヴァン・ヘルシングの最後のツーショットが悲しい場面だけど 凄く心に残る場面で何より悲痛の叫びが ヴァン・ヘルシングの感情を最大に表現されているところであり どの場面よりも印象的である。
by jd69sparrow | 2010-06-27 23:36 | 映画タイトル あ行