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独りとは。

夕方と夜の境目。

祖母の家へ行くと奥の方の明かり一点だけで

少し不気味に見えた。


独りで住むには広すぎる家。

しかし、そこには台所の黄色い明かり一つだけ。


自分がもし老後、独りになったらと

考えてしまった。


私は耐えられるだろうか、と。


祖母はおそらくは心配をかけまいと

一人暮らしをしている。

本当に凄い。

強いと思う。

寂しがりやな自分には孤独で消えてしまいそうとさえ思った。

人は一人でいると

どうにかなってしまうことがある。

外部との接触を絶ち、独房に暮らす囚人が

そうなってしまうという話をどこかで聞いた。

それに比べれば

毎日話して、買い物に行っているのだから

そんなことはないのだが、

でもやはり夜は怖い。


だけど、祖母はたくましく

生活している。


犬や猫がいればいいのにねって

言うと、

頑なに拒む祖母。

過去に辛い事があったらしい。


ならば、と切り替えしたり提案したりと

しているうちに

話は盛り上がり、

気づけばすっかり夜になっていた。


なんだかんだ、文句を言ってしまうけれど

独りでも頑張っていて

こんな孤独感がこみあげてきそうな

明かり一つの家の中でも

私に笑顔を返してくれる祖母を見ていると

もっともっと話した言って思う。

このまま帰るのが惜しいくらいに。


だから、何も無い時でも

暇さえあれば

何かしてあげたいというか

話に行きたいって思う。


…と、言いつつも

中々それを叶えられず情けない自分がいる。


もしかしたら、

というか多分、見えないだけかもしれない。

祖母の思い。


でも、父の子ども時代の話などをする祖母の顔は

いつもより元気で

穏やかに見えて、こちらもなんだか

ほんわか気分。


やっぱり親孝行も祖父母への孝行も

忘れてはいけない。


祖母にとっては息子、私にとっては

叔父の帰りを楽しみにしていて

わずかではあるが、

帰ってくる息子に

色々してあげるんだと

話すその様子も楽しそう。


素っ気無い態度をとりがちなことを

申し訳なく思うのである。


元気に長生きして欲しい…。

by jd69sparrow | 2010-08-20 23:59 | 独り言。