『製パン王 キム・タック』
【あらすじ】
主人公 キム・タックの波乱万丈に満ちた人生の一部を描いた物語。 パンとの出会い、パンへの愛情に芽生え、たくましく成長していくキム・タックに その弟,ク・マジュンの悲劇からの脱出の物語でもある。
【感想】
漫画のような展開。 だけど、気づいたらハマッている。 そんな魅力ある作品。 “製パン王”という邦題は正直 間違ってはいないけれど そこがメインという訳でないので少しズレたタイトルと言えるが そこは気にするべきではない。
あまりに人がいいタックに,意地悪なマジュン。 彼らのまわりには不幸が渦巻いているのが 一人はその一つ一つに打ち勝ってゆき,ひとりは そんな運命に翻弄されながらも懸命にもがく。 相反する生き方をする二人は常にぶつかり合う。 …こう言ってしまえば、一見暗い物語に聞こえるかもしれないが 実はそうではない。 “暗い場面”というのは 多くの作品につきものだ。
▼ここからネタバレ注意▼
何が一番いいかというと、主人公のキャラクター性がまず一つ。 そもそも主人公が魅力的でなければ話が始まらないのだが。 あまりに人のいいキャラで終わるタック。 だけど、彼のそんな魅力を引き出したのは“パン作り”なのだ。 笑って泣いて、時に怒る。 そんな誰しもぶち当たる人生の壁に立ち向かいながら タックは心の広い人間となっていき、その過程もさることながら、その結果が面白い。
物語を動かしているのは、ハン室長。 勧善懲悪で言えば、悪役になるのがこの人なのである。 タックの実の父親,ク・イルチュンが会長をつとめるコソン食品の秘書室長が、ハン・スンジェ室長なのだ。 彼は会長の旧友でもある。 “コソンの後継者争い”というのがこの作品の一つのテーマとなっており、それを直接実行しているのが,ハン室長その人なのである。 マジュンのために タックをあらゆる手段で 追い込む悪役なのである。
ハン室長、マジュン、その母インソクの三人はそれぞれタックを あらゆる手段で追い込んでいく。 だけど、決して屈しないのが タックの強さで それを乗り越えていくタックは凄い。 まるで“大奥”の世界のよう? しかし、この三人の行動の裏にはそれぞれ “愛を得るため”という共通点がある。 愛が欲しくても中々得られず苦悩し、それが結果的に 意地悪というカタチで表れたのである。
by jd69sparrow | 2011-08-28 01:46 | ドラマ・その他