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海猫-umineko-

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 町から見えてくるのは海、その海の上には広い広い空が広がりその空には海猫が飛び交っている。港には海の男たちでいつも賑わっている。主人公カオルはそんな海の田舎町へと漁師である邦一の家へと嫁いでいった。
 旦那は仕事ばかりに専念し力をそそぎ、カオルはそれをただ手伝い見守るだけの毎日を過ごしている。平穏だったはずの日々がしだいにねじれてしまう。
 邦一を演じるのは佐藤浩市さん、今回は方言でのセリフ。渾身の演技である。海の男がこんなにあうとは。クライマックスも緊張感・張り詰めた空気が強く残るが、最後見せた姿は前半から中盤にかけての姿とは全く違うもので見ごたえがある。
 カオルの短くはかない人生は希望にみちあふれた明るいものでなくとも、どん底ではなかったのだと思う。 旦那のために立派な浜の女になろうと地道に努力するひたむきさがその証であろう。最後の最後まで海猫のようだった。
 複雑であり、明るめの話ではないけれど不思議と後味は悪くなくむしろすっきりしている。これはこの映画のうまいところであり、終わりに近づくほどおもしろくなっていく。ある意味でクライマックスはハラハラドキドキなサスペンスチックであった。最後の見せ方がうまい映画はおもしろい。

by jd69sparrow | 2006-03-31 00:07 | 映画タイトル あ行