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ハチミツとクローバー

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 誰かが誰かに恋をしている、けれど矢印は一つの方向に向き、一方通行。 片思い。 それぞれが自分の向けた矢印の先の人がこちらへ矢印を向けてくれる、つまり好きになってもらいたいと,切ない思いを抱いている。いつかその矢印が向き合う日は来るのだろうか。 恋する男女の恋の物語。
 舞台は美術大学。 それぞれが筆をにぎりキャンバスに想いを描く。 あるいはその手で何かを築き上げる,誰もが心に芸術を持ち,生み出す。 大学の教師・花本のもとには集うは竹本や真山、あゆみなど目指すものは違えど美術という芸術を愛する者たちである。 そこには学年など関係なく花本をしたうそれぞれの学年の学生が集まる。 ある日、竹本たちが通う浜美大に一人の才能あふれる“ハグ”という女の子が入学してくる。 ハグは花本とは親戚関係にある。 彼女は大きなキャンバスに自らの感覚を持ち芸術を描く。 そんなハグを見た竹本、そして“人が恋に落ちる瞬間を見た真山。 そこへさらに浜美大8年目の森田が海外から日本へ帰国し,花本たちのもとへ帰ってきて,恋は新たな展開を示していく。
 竹本たちはそれぞれ好きな人がいていつかその恋が実ることを願っている。 けれど好きな人に自分を好きになってもらうこと、恋が成就することは難しい。 簡単なこと、単純なことに思えるかもしれない、逆に簡単に思えることが、見えることほど難しいことはないのかもしれない。 誰かの恋が進行していて、誰かの恋が始まる。 みんながみんな恋に不器用。 相手に思いを中々伝えられずにいる、けどそんな状態から脱し,思いを告げることができたらどうだろう。 それだけで何か温かいものが胸にこみあげてくるのではないだろうか。 どんな答えが待っていても前を踏み出せたことに後悔は残らないだろう。 自分の心に抱く恋を貫くか,あきらめるか,あるいはただ思うだけにとどめるか、その選択肢は自らで切り開き 決めるもの。 恋を始める勇気、思いをつげる勇気。 その勇気を持てた時が恋の,また未来への一歩なのである。
 恋が実るのか。 選択しだいで可能性を開いていける、そんなふうに思った。 主要人物の誰もが恋をしていること、それらは終着地点につくのではなく,あくまでも未来へ続く道、可能性を彼らは見つめているというところがとてもほんわか,温かで素敵な物語である。

by jd69sparrow | 2007-05-18 03:33 | 映画タイトル は行