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TAXi4

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 フランス・マルセイユの刑事とスピード狂のタクシー運転手のコンビが毎度まいこんでくる事件解決に挑む,タッグ(バディ)・ムービー。 タッグ・ムービーの場合、刑事どうし,たとえば警官として順風満帆にキャリアを積んできたエリート刑事と勢いがよく,無鉄砲なはみ出し者の経緯というふうに、静と動という正反対の者どうしがコンビを組むというのが一般的だと思う。
 「TAXi」シリーズの場合。 その静と動というコンビの組み合わせは刑事どうしの映画(物語)と共通であるが,努力がいつも失敗につながってしまう刑事,エミリアインとそんな彼の頼もしい相棒でタクシー運転手のダニエルというそれぞれ環境下の違う二人が手を組むという点ではあまり例をみない。 突っ走るエミリアンをサポートするダニエル。 エミリアンが動で,ダニエルが静ともとれるし、時と場合によっては変わる。 タクシーを飛ばすときのダニエルは動、恋愛や私生活の面のエミリアンはどちらかというと静である。
 努力が成功につながらず、ドジばかりふむ,だけど警官としての意欲は上々なエミリアンをやれやれと手助けするダニエル。 ある意味で兄と弟のようである。 そんな二人を見、この物語の主人公で毎回 パワー全開で疾走する,ダニエルの愛車,プジョー、そしてエミリアンの上司,ジベール署長のおりなす,コメディセンス抜群の映画だ。
 ストーリー。舞台はフランス・マルセイユからモナコへ。 大物サッカー選手,ジブリル・シセをスタジアムへ“タクシー”で全速力で送り届けるところが映画の幕開けとなる。 ある日、エミリアンたちのもとに重大な仕事が飛び込んでくる。 それは,稀に見る犯罪暦を持つ凶悪犯,“ベルギーの怪物”と呼ばれる男を護送するというものだった。 しかし、毎回おなじみなエミリアンの失態で凶悪犯を逃がしてしまう。 窮地に追いやられたエミリアン,なんとかして挽回をはかるため,事件解決を試みることに。 ダニエルの力を借りて。
 “プジョー407”。 これが今回の“タクシー”である。 時速300キロ以上を越える,プジョー。走り出すその時 レースカー並の“最速タクシー”へと変わる(まるで“トランスフォーム”するかのように)。 そんな最高な“タクシー”にダニエルのドライバー・テクが加わり、どんな急ぎの依頼もなんなくこなす。 このスピード感あふれる要素(場面)が物語の華であろう。
 プジョーが駆け抜けるバックを飾り、演出する「TAXi」シリーズのテーマ曲はエキセントリック。これなくしては物語りは始まらない。
 「TAXi」の名物と言えば、やっぱり迷署長・ジベール。 「出動!」とい勢いのよいセリフが印象的である。 このセリフの場面はもちろんだが、彼のリアクションや行動は刑事である以前にコメディアン。 迷捜査ぶり、あらゆる言動がおもしろく,笑いを誘う。 四六時中コメディアンなのだ。 いわゆる憎めない愛されキャラである。 捜査にはりきる署長、今回はイカれ具合が最高。 エミリアンならドジについて、ジベールの場合は笑いというネタで辞書がつくれるだろう(本編・パンフレット参照)。 
 シリーズ四作目ではダニエルとエミリアン,それぞれの息子たちが登場。 ダニエルの息子は父親の遺伝をしっかりと受け継いでいるし、エミリアンの息子は父親とは似つかず(?),しっかり者。 この二人少年の場面にも注目である。
 観る者を笑いの渦の巻き込むだけでなく,刑事モノならではの緊迫感を味あわせるわけでもない,シリーズ四作目でのダニエルとエミリアンの変化,子供ができ,成長したとい彼ら自身の問題,ドラマ的要素も盛り込まれている充実した内容である。
 
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by jd69sparrow | 2007-09-04 00:57 | 映画タイトル た行