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ハリー・ポッターと死の秘宝

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<イントロダクション>
 『ハリー・ポッター』を初めて読んだ日から10年くらい経つ。 今でもその時の(冒険の始まりという扉を開けたとき)ことを覚えている。 ハリーが11歳の誕生日を迎える頃、ハリーの人生を大きく変える出来事が起こったことを。 ホグワーツ魔法学校に入学し、魔法使いとして新たな人生を歩みはじめたハリーは、“生き残った子”として崇められる。 ヴォルデモート卿という闇の魔法使いはハリーの額に自らとのつながりを残す。 ハリーが魔法使いになってからハリーとヴォルデモートとの戦いは始まり、なんらかの形で彼らは対決してきたのだ。 度重なる事件にヴォルデモートの影あり。
 何も知らず、無垢で無欲な少年は ヴォルデモートとのいくつもの戦いの中で親友たちと共にたくましく成長していく(ハリーは)ロナルド・ウィーズリーとハーマイオニー・グレンジャーと数々の謎を解き,たくさんの危険をかいくぐった。 そして力を合わせて来た。 
 そんな長きに渡る戦いは七年にも及び,ついに決着をつける日がやって来る。 第七巻にして最終巻『死の秘宝』は穂具ワーツでの授業の日々から離れ、ひたすらヴォルデモートとおn戦いに専念し、そこに話の中心がある。 十年前には想像の出来なかったような世界がそこにはあって、深みに入っていく。 
 展開が速く、見せ場となる場面も多い。 ハリーの運命の瞬間までが一気に加速する。 その先には因縁の戦いが待ち受けているのだ。 驚き・興奮・真実は話が進むに連れて出てくるけれど、それらが一番大きく真に迫っているのが『死の秘宝』だ。

<あらすじ>
 ヴォルデモートが復活し、魔法界に暗雲が立ち込める中,ハリーの故郷とも言えるホグワーツはもはや安全な場所とはいえない。 ヴォルデモートは本格的に動き始めた。 ハリー、ロン、ハーマイオニーの三人はアルバス・ダンブルドアが彼らに遺した使命を果たす旅に出る。 それはヴォルデモートを倒すための謎解きの旅である。 いばらの道を歩むが如し、彼らは一歩一歩確実に真実に迫り、使命を果たす道も切り開いていく。 ハリーたちは彼ら自身と彼らの大切な人たちに迫る危機を回避させなければならない。 そのため、体力的,また精神的な戦いと忍耐を強いられる魔法界を激震させる戦いの火蓋を切って落とされる。
 
<感想>
 ハリーは探究心が強く、その執念も深い。 希望が見えてきたとき、その可能性をとことん突き詰める。 結果がともなうからこそ、すごい。 さらに言えば、勘が鋭い。 本人が意識していないところで、秘められた力が発揮されているのだ。
 ハリー、ハーマイオニー、ロン…この三人に魔法界の運命が託されているといっても過言ではない。 ハリーにとって二人の親友であり、大切な仲間。 二人がいてこそ、幾度と訪れる死の危険を乗り越えられる。 ハーマイオニーは知識と機転のよさで、ロンは友の安全を思う心でハリーを支え、同時にハリーを抑える。
 以前、相手にかけた呪いを自分に逆噴射させてしまったロンは,今では何倍も頼もしくなり,三人の他にも大きな変化があった人物がいる。 ネビル・ロングボトムである。 誰よりも失敗続きで魔法を使いこなせなかったネビルは、ハリーたち不在の中で反ヴォルデモート派,ダンブルドア軍団として自己主張をし、闇の勢力と戦う者としても人間的にも強くなった。
 ハリーが穂具ワーツで様々な試練を経て、ヴォルデモートに少しずつ近づいていく、それも冒険だ。 今度はこれまでの冒険以上に壮大なもの。 と言うより、一番長い旅。 行く先々には何かしら“答え”が待っている。 けれど、それがいつも彼らが求めているものとは限らない。
 常に謎解きが続く。 ハリーたちは追われる身という大きなリスクを背負い、時にぶつかり合いながらも真実とヴォルデモートに対抗する糧をえていく,という最終章だけにとてもドラマティックで激しく,衝撃的な展開が終盤にかけて,畳み掛けられていく。 クライマックスではまるで、『スター・ウォーズ/エピソード3 シスの復讐』を見るような,悲しい気持ちになったりもするけれど、ヴォルデモートに立ち向かうハリーは偉大なる魔法使いそのもの。 ヴォルデモートと同じ“蛇の力”を持ちながらも その力を,また、両親の命を奪った相手を強く拒む心・思いが、闇に染まることなく、グリフィンドールの清新のもとにハリーを結び続けたのだろう。 ダンブルドアがハリーに託した思い、ハリーを支えるホグワーツの友たちと天で見守る両親、不死鳥の騎士団、そしてウィーズリー一家というたくさんの仲間・大切な人たちの存在がハリーに強い精神を与えたのだと思う。
 三人が大人たちを相手に危険と隣り合わせの状態で旅を続け、知恵をしぼりあい 戦うのがなんともたくましい。 手ごわい敵と杖・魔法を交え,多くを失い、何かを得る。 ハリー、ハーマイオニー、ロンの三人が。 一生分の人生が一気に訪れたかのように。
 過酷過ぎる数々の障害を乗り越えてきたハリーは魔法を知る前とは180度違う,歩むべき、また 心から臨んだ道・場所へと辿り着く。  それがハリーが,読者が,求めたものと言っても過言ではない。 素敵な結末である。 ハリーが本との幸せを掴むまでの道のりはあまりにも,険しかった。 だけど、それにあは意味がある。 決して、一人ではかなわない夢と幸せ。 親友達という大きな存在が,仲間・家族がハリーをそこへ導いたのだ。 友情と絆、幸せと自由・平和、そしてハリーたちの成長。 これらのテーマで『ハリー・ポッター』はできている。

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by jd69sparrow | 2009-02-08 16:30 |